葬儀につきものなのが清めの塩です。死の穢れをはらうパワーがあるわけですが、絶対に使わないといけないと言うわけではありません。死を穢れと考えない宗教や宗派もあるからです。しかし、葬儀後は清めの塩をかけないと違和感があると言う人も多いでしょう。
ですが、清めの塩の知識を持っていない人が少なくありません。玄関に入る前に塩を体にかけると言うのは、流石に知っているでしょう。しかし、かける場所と順番を分かっていない人が多いです。肩だけにかけて終わりと言う人がいますが、これでは不十分です。
基本的には胸元から背中、そして両方の足元の順番でかけていきます。また、清めの塩は誰かにかけてもらわないと意味がないと思っている人も多いですが、そんなことはありません。一人暮らしの人だっています。ですから、自分でかけても構いません。
葬儀というのは、人が亡くなった際に執り行う儀式だと考えている人が多いようです。確かにその通りではありますが、本来はもう少し広い意味合いを持っていました。葬儀は故人を悼み、弔い、送り出すという儀礼で、臨終から火葬、埋葬、そしてその後の喪の期間を含めた全体のことをいうそうです。
葬儀というのは、故人にかかわるすべての人が、少なからぬショック状態の中で行わなくてはなりません。そのため、ときには葬儀という儀式が誰のためにあるのかということを忘れてしまいがちです。当然のことではありますが、葬儀は亡くなった故人のためにあります。
喪主や僧侶というのは、儀式を行う立場でしかありません。葬儀を行う際には、残された家族は、故人を悼み弔うために儀式を行うのだということを、基本的な知識として念頭に置いておいたほうが良いでしょう。